この記事でわかること
大学入試の方式ごとの特徴と、合理的配慮の申請方法を確認したい、視覚障害のある受験生と保護者の方向けの記事です。共通テストで受けられる配慮の内容と、申請から受験当日までの流れがわかります。
大学入試4方式の特徴と受けられる配慮
現在の大学入試は、主に4つの方式に分かれています。方式ごとに時期・評価方法・配慮の申請先が異なります。
大学入学共通テスト
毎年1月に実施される全国一斉の学力試験です。主に国公立大学の一般選抜で利用され、私立大学でも多くの大学が利用しています。解答はマーク式です。
視覚障害のある受験生は、大学入試センターに事前申請することで、次の配慮を受けられます。
- 試験時間の延長(1.3倍または1.5倍)
- 点字・拡大文字の問題冊子
- 解答方法の変更(点字解答・チェック解答など)
- 別室での受験や座席位置の指定
出願前申請は例年8月上旬に始まります。出願前に申請すると、9月下旬に審査結果を確認できます。書類の準備には時間がかかるため、夏前から動き始めることが重要です。
総合型選抜(旧AO入試)
主に9月〜11月に実施されます。書類審査・面接・小論文・プレゼンテーションなどで評価され、高校での活動や志望理由が重視されます。
配慮が必要になる場面の例は次のとおりです。
- 面接での質問方法や資料提示の調整
- 提出課題の代替形式(点字・音声ファイルなど)
提出書類の形式変更は、出願前に大学へ相談することが必要です。
学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)
主に11月〜12月に実施されます。高校の推薦を受けて出願し、調査書・小論文・面接などで評価されます。面接や書類提出で配慮が必要な場合は、出願前に大学へ相談します。
一般選抜(一般入試)
国公立大学は前期が2月下旬、後期が3月上旬です。私立大学は1月末〜2月がピークで、筆記試験が中心です。
配慮の内容は大学ごとに異なりますが、次のような例があります。
- 拡大文字・点字の問題用紙
- 試験時間の延長
- 解答方法の変更(パソコン利用など)
- 別室受験
共通テストで配慮決定を受けている場合、その通知書の写しを大学に提出する方式が一般的です。
合理的配慮の目的と3つの原則
合理的配慮とは、障害のある受験生が他の受験生と同じ条件で力を発揮できるよう、試験の環境や方法を調整することです。
理解しておきたい原則は3つあります。
- 配慮は「相談」によって決まります。大学や試験主催者に申請し、受験生の状況をもとに個別に内容が決定されます。
- 希望した配慮がすべて認められるとは限りません。大学の体制や試験の公平性をふまえ、妥当な範囲で調整されます。
- 配慮は「有利にするため」のものではありません。平等な受験機会を保障するための手段であり、特別扱いではありません。
受験上の配慮を申請する手順
配慮を希望する場合は、入試要項に記載された「受験上の配慮申請」の手続きを行います。一般的な流れは次のとおりです。
志望校の入試課や障害学生支援室に問い合わせます。共通テストの窓口は大学入試センターです。
医師の診断書、状態を説明する書類、所定の配慮申請書などを用意します。必要書類は試験・大学ごとに異なるため、要項で確認します。
共通テストは出願前申請の期間内に提出すると、出願前に審査結果を確認できます。
決定された配慮内容が通知されます。内容によっては当日の流れを事前に打ち合わせます。
試験当日は、通知された配慮内容のとおりに受験します。
相談の時期と相談先
配慮の申請には、書類準備を含めて時間がかかります。共通テストの出願前申請は8月に始まるため、高校3年の夏前には相談を始めることが必要です。進路が確定していない段階でも、相談だけは先に進められます。
相談先は次のとおりです。
- 高校の先生(進路指導・特別支援教育の担当)
- 志望大学の入試課・障害学生支援室
- 各地の視覚障害者支援団体・進学支援団体
よくある質問
- Q1. 過去に前例のない配慮でも申請できますか?
-
申請できます。配慮の内容は前例ではなく、受験生本人の状態と試験の実施体制をもとに個別に検討されます。普段の学習で使っている方法(拡大読書器・点字使用など)を具体的に伝えることが重要です。
- Q2. 共通テストと各大学の個別試験は、別々に申請が必要ですか?
-
別々に申請が必要です。共通テストは大学入試センター、個別試験は各大学が窓口です。共通テストの配慮決定通知書は、大学への申請時に資料として使えます。
まとめ:夏前の相談から受験準備を始めよう
視覚障害があっても、大学進学をあきらめる必要はありません。
- 合理的配慮は、平等な受験機会を保障するための制度です
- 配慮の内容は大学・試験主催者との相談で決まります
- 共通テストの配慮申請は8月に始まるため、夏前の相談開始が必要です
まずは高校の先生か志望校の支援窓口に相談し、必要な書類の確認から始めていきましょう。

