はじめに
視覚障害のある子どもたちにとって、「学び」とは大きなチャレンジであり、同時に未来をひらく鍵でもあります。
しかし、学校生活の中には見えにくさゆえの壁も多く、「もっとスムーズに授業を受けたい」「自分のペースで学びたい」という声が後を絶ちません。
この記事では、学校内での支援に加え、学校外の学びの機会を活用することで、視覚障害児の未来がどう広がっていくのかをご紹介します。
視覚障害のある子どもたちが抱える課題とは?
● 授業のスピードについていけない
板書が見えにくく、ノートを取るのに時間がかかることで、授業の流れに乗れなくなってしまうことがあります。
● 教材の不足
点字や音声、拡大文字に対応した教材が十分に用意されていないこともあり、学びたい教科を深く掘り下げられないという現実があります。
● ICTの活用不足
タブレットやパソコンなど、便利な機器があっても、視覚障害のある子にとって最適な使い方がされていない場合があります。
● 進路やキャリアの情報が少ない
視覚障害がある子向けの進学情報や就職支援が行き届かず、「何ができるのか分からない」という不安が大きくなりがちです。
学校の中でできること|まずは“相談”と“連携”から
視覚障害のある子どもが通常学級に通う場合、最初のステップは「対話」です。
- 学校と本人、保護者がしっかり話し合い
- 困っている場面を洗い出し
- 必要な配慮やツールを一緒に考える
たとえば…
- タブレット端末で黒板の内容をリアルタイムに手元表示
- ノートテイク支援や教材の拡大
- 担任と支援員が連携して環境を調整
“特別扱い”ではなく、“学びのスタートラインをそろえる配慮”
それが、合理的配慮の基本です。

学校外の学びを取り入れることで、子どもの未来は広がる
とはいえ、学校だけではカバーしきれない場面もたくさんあります。
だからこそ、学校外での学びの機会を上手に活用することが、子どもの可能性を大きく広げてくれるのです。
1. 日本点字図書館やサピエ図書館で“興味の学び”を深める
📚 日本点字図書館
- 点字や拡大文字、音声資料などが豊富
- 教科書や学術書、図鑑、文学作品まで幅広い分野をカバー
- 読書や調べ学習に最適
📱 サピエ図書館
- オンラインで録音図書や点字データが利用できる
- スマートフォンやタブレットでもアクセス可能
- 自宅で手軽に“音で学べる”環境が整います
2. 視覚障害に特化したオンライン教育サービス「ブイリーチ(Vreach)」
💡 ブイリーチの特徴
- 視覚障害を持つ講師によるマンツーマン指導
- ICT機器を活用し、全国どこでも受講可能
- 個々の見え方や目標に応じて柔軟なカリキュラムを提供
🌍 講師のリアルな事例
Aさん(全盲・海外留学経験あり)は、英語と社会を担当。
視覚障害の立場から“英語をどう学ぶか”、“試験や留学での工夫”を伝えています。
🎯 こんな人におすすめ!
- 学校の授業だけでは物足りない
- 自分のペースで学びたい
- 視覚障害のある先輩から学びたい
- 将来の進学・留学を考えている
ICT機器+人的支援=最強の組み合わせ
- 拡大読書器や音声パソコンの導入
- スクリーンリーダー対応の学習アプリ
- 支援者によるサポートや使い方のレクチャー
ICT機器はあくまで“道具”ですが、それを子どもに合った形で活用できるかどうかが大きな分かれ道になります。
ブイリーチでは、機器導入の相談や、使い方のトレーニングも行っています。

まとめ|「学校の外にも学びの可能性は広がっている」
視覚障害があっても、子どもたちは“学びたい”という思いをしっかり持っています。
その思いを支えるためには、学校内の支援だけでなく、学校外のリソースや人とのつながりを上手に活用することが大切です。
- 学校では「合理的配慮」で日常を整える
- 家では「ICT+音声図書」でじっくり学ぶ
- オンラインでは「ブイリーチ」で専門的な指導を受ける
そんな“学びのハイブリッド化*が、これからの時代の新しい選択肢になるかもしれません。


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