はじめに
「大学には入れたけれど、授業についていけるか不安…」
「視覚障害があるけど、サポートって本当にあるの?」
そんな不安を感じている視覚障害のある学生さん、そしてその保護者の方へ。
大学には、障害のある学生を支援する「障害学生支援室」という頼れる窓口があります。
この記事では、視覚障害のある学生がどんなサポートを受けられるのか、どんなふうに相談すればいいのか、をわかりやすくまとめました!
障害学生支援室ってなに?どんなことをしてくれるの?
簡単に言えば、障害のある学生が「他の学生と同じように学べる環境」を整えるための相談窓口です。
大学によって名前は「学生サポートセンター」や「アクセシビリティ支援室」などさまざまですが、役割は基本的に同じです。
たとえば、こんなサポートがあります:
- 授業や試験の配慮を調整してくれる(試験時間の延長、音声・点字の資料提供など)
- 通学やキャンパス内の移動を手助けしてくれる(ガイドヘルパー、施設の案内など)
- 学習を助ける機器の貸し出し(拡大読書器、点字ディスプレイなど)
- 先生との間に立って、必要な情報を伝えてくれる
視覚障害があるからといって、大学で孤立する必要はありません。
支援室とつながることで、「必要なときに、必要な支援」が受けられる環境を一緒に作っていくことができます。
実際にどんな支援が受けられる?(視覚障害編)
大学によって多少違いはありますが、視覚障害のある学生にはこんな支援が提供されています。
教材の点訳・データ化
教科書やレジュメを点字やテキストデータに変換して提供。音声読み上げソフトと合わせて使うことで、視覚に頼らず学べます。
ノートテイク支援
講義中に他の学生が書いた内容をリアルタイムで文字起こしして伝える支援。タブレットやPCを使って情報を共有することも。

(サングラスをかけた視覚障害者が点字の資料を読んでいる。横にいるノートテイカーはパソコンでノートテイクしている。)
試験での合理的配慮
例:試験時間の延長、別室受験、音声や点字による出題、PCでの解答など
→「できる・できない」を伝える試験ではなく、「平等に力を発揮するための配慮」が基本です。
キャンパス内の移動支援
最初は教室や学食への行き方も不安ですよね。
ガイドヘルパーや支援スタッフが一緒に歩いて、構内の「慣れ」をサポートしてくれる大学も多いです。

(白杖をもった視覚障害者が同行援護してもらい、大学内の部屋の場所を教えてもらっている。)
支援を受けるにはどうしたらいい?
支援は、自動的に受けられるわけではありません!
学生本人が申請・相談をすることで、大学と一緒に必要な支援を検討していきます。
基本的な流れはこちら:
- 支援室に連絡・相談予約
入学前〜入学直後に、まずは「相談だけ」でもOK。 - 面談で困りごとや希望を伝える
診断書や手帳のコピーを提出することもあります。 - 支援内容を一緒に検討・決定
学科の先生とも情報を共有しながら、できるサポートを考えます。 - 支援スタート!
状況に応じて、途中で支援内容を変更することもできます。
Point:早めの相談がカギ!
入学前でも相談できる大学も多いので、できれば入試の時点で下調べしておくと安心です。
上手に支援を受けるためのコツ
1. 自分の「困りごと」を整理して伝えよう
「なんとなく不安」ではなく、「プリントの文字が見えづらい」「音声があると助かる」など、具体的な状況を伝えると支援内容がスムーズに決まります。
2. 一度で完璧に決めなくてもOK!
大学生活は長いです。
「やってみたけど合わなかった」「試験のときだけ配慮が欲しい」など、途中で相談・変更もOKです。
3. 支援室の人=相談相手と思って安心を
「迷惑かも…」なんて思う必要はありません。
支援室のスタッフは、話を聞くプロ・一緒に考える仲間です!
まとめ|大学生活を一緒につくるパートナー、それが支援室
視覚障害のある学生にとって、大学生活はチャレンジの連続かもしれません。
でも、1人でがんばらなくて大丈夫。
障害学生支援室は、困ったときの「相談先」であり、あなたの学びを支える「チーム」の一員です。
ちょっとしたことでも、ぜひ気軽に扉をたたいてみてください。
「どんな支援が受けられるの?」「他の人はどんな支援を受けているの?」
そんな疑問や不安があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。


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