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【視覚障害のある受験生・保護者向け】大学入試の種類と合理的配慮の申請方法を徹底解説

2025 7/11
学び・学校生活
2025年7月11日
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目次

1. はじめに

「大学に進学したいけれど、視覚に障害があっても受験できるの?」「どんな配慮が受けられるのか不安…」

そんな声を、視覚障害のある受験生やその保護者の方からよく聞きます。
近年は、障害のある受験生に対する「合理的配慮」が広く認められるようになり、試験内容や方法について柔軟な対応が可能になっています。

この記事では、視覚障害のある受験生が大学進学を目指す際に知っておくべき

  • 大学入試の種類と特徴
  • 合理的配慮の内容
  • 申請手続きの流れ
  • 相談・準備の注意点

を、初めての方にも分かりやすく解説します。

2. 大学入試の種類と、それぞれの特徴

現在の大学入試は、主に次の4つの方式に分かれています。それぞれに特徴があるため、受験生の状況や得意分野に合わせて選択することが大切です。

2-1. 大学入学共通テスト

  • 毎年1月に実施される全国一斉の学力試験
  • 主に国公立大学の一般選抜で利用される
  • 私立大学でも利用できる大学多数あり
  • マーク式が基本(記述式は2021年度以降廃止)

視覚障害のある受験生は、大学入試センターに事前申請することで、以下の配慮が受けられます。

  • 試験時間の延長(1.3~1.5倍)
  • 点字や拡大文字の問題冊子の提供
  • 音声データでの問題読み上げ
  • 解答方法の変更(口述・代筆など)
  • 個別会場の設定(静かな環境、電源確保など)

注意点: 申請の締切は高校を通じて6~7月上旬に行われるため、かなり早めの準備が必要です。

2-2. 総合型選抜(旧AO入試)

  • 主に9月~11月に実施
  • 書類審査、面接、小論文、プレゼンなどで評価
  • 学力試験は実施しない大学も多い
  • 高校での活動や熱意、個性が重視される
配慮が必要な場面の例:
  • 面接時の質問方法の調整や、資料提示のサポート
  • 提出課題の代替形式(点字、音声ファイルなど)

注意点: 提出書類や形式に関する変更は、大学との事前相談が必要不可欠です。


2-3. 学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)

  • 主に11月〜12月に実施
  • 高校の推薦を受けて出願
  • 調査書、小論文、面接などで評価

面接や書類提出時に配慮が必要なケースでは、大学側への相談が大切です。

2-4. 一般選抜(一般入試)

  • 国公立大学は前期(2月下旬)、後期(3月上旬)
  • 私立大学は1月末~2月にピーク
  • 筆記試験(記述式またはマーク式)が中心

合理的配慮の内容は大学ごとに異なりますが、共通テストと同様に以下の配慮が可能な場合があります。

  • 拡大文字・点字・音声対応の問題用紙
  • 試験時間延長
  • 解答方法の変更(PC、代筆、口述など)
  • 試験会場の個別設定

3. 合理的配慮とは?~その目的と誤解されがちなポイント~

合理的配慮とは、「障害のある受験生が他の受験生と同じスタートラインに立つために、環境や方法を調整すること」です。

大切な3つの原則

  1. 合理的配慮は「相談」によって決まる
     大学や試験主催者に申請し、受験生の状況をもとに個別に配慮の内容が決定されます。
  2. すべての希望が通るとは限らない
     希望した配慮がすべて認められるわけではなく、大学の体制や試験の公正性を考慮して、妥当な範囲で調整されます。
  3. 配慮は「有利にするため」ではない
     合理的配慮は、あくまで「平等な機会を保障するための手段」です。
     他の受験生より優位に立つための“特別扱い”ではありません。

4. 配慮を受けるための手続きの流れ

配慮を希望する場合は、入試要項に記載された「受験上の配慮申請」の手続きを行う必要があります。

一般的な流れ:

  1. 大学または試験主催者に相談
     (入試課、障害学生支援室など)
  2. 必要書類を提出
     ・医師の診断書
     ・身体障害者手帳の写し
     ・配慮申請書(所定の様式)
  3. 審査・確認
     大学側が受験生の状況と希望内容を確認し、配慮の可否や内容を決定
  4. 通知・打ち合わせ
     受験前に配慮の内容が通知され、場合によっては当日の流れを事前確認
  5. 試験当日、決定された内容に基づいて受験

5. 大学との事前相談が合格への第一歩

相談は「迷ったら早めに」が鉄則!

配慮の申請には、手間も時間もかかります。
特に共通テストは夏前から準備開始となるため、進路がはっきり決まっていなくても、「相談だけはしておく」ことを強くおすすめします。

どこに相談すればいいの?

  • 高校の先生(進路指導・特別支援担当)
  • 志望大学の入試課・障害学生支援室
  • 各地の進学支援団体・視覚障害者団体

6. まとめ:自分らしく受験に臨むために

視覚障害があっても、大学進学をあきらめる必要はありません。

  • 合理的配慮は、すべての受験生に平等な機会を与えるためのもの
  • 配慮は大学との対話の中で決まり、内容には上限もある

だからこそ「早めに知る・動く」ことが何より大切です。

受験は不安も多いかもしれませんが、自分の力を発揮できるよう、しっかりと準備を整えていきましょう。

この記事が、視覚障害のある受験生やご家族にとって、進学への一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

「どの入試方式が合っている?」「どんな配慮をお願いできるの?」

そんな疑問や不安があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。

学び・学校生活
受験 合理的配慮 学校生活
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この記事を書いた人

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視覚障害のある子どもや学生が、自分らしく学び・暮らし・挑戦できる社会を目指して、情報を発信しています。
記事を読んで気づいたことやご意見、「もっと知りたい!」と思ったことがあれば、EduLume@vreach.jp までお気軽にお寄せください。

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