この記事でわかること
視覚障害があっても課外活動やスポーツに参加できるか知りたい、当事者の学生と保護者・教育関係者向けの記事です。筆者がアメリカ留学中に参加したクラブでの体験と、仲間との具体的なやりとりを紹介します。
参加した2つのクラブ
アメリカ留学中、私は2つのクラブに参加していました。ひとつはダンスクラブ、もうひとつは季節ごとのスポーツクラブです。
スポーツクラブは、大学生だけでなく地域の子どもから大人まで参加できる場でした。年齢や障害の有無を問わず参加できるオープンなクラブです。
アメリカに来て初めてできた友人が、このクラブを教えてくれたのがきっかけです。
「見えにくくなってから、スポーツを楽しむ機会がなくなっていた」
彼女との何気ない会話の中で、私はこう漏らしました。
「スポーツは好きなんだけど、見えにくくなってからは、ほとんど楽しむ機会がなくなっちゃって…。まぁ、物理的に難しいのはわかってるんだけどね」
すると、彼女はこう返してくれました。
「やりたいなら、やればいいじゃない!サポートしてくれる仲間はたくさんいるし、一緒に方法を考えればいいだけだよ!」
その言葉に、私は驚いて思わず聞き返してしまいました。
日本では「見えにくいなら危ないから」「無理をしないで見学してね」と言われることが多くありました。「できない前提」で扱われる経験が重なっていたからです。
「ダメな理由なんてないよ!」と言ってくれた仲間たち
クラブに参加すると、バスケットボールやキックボールなどの球技に取り組む機会がありました。
私は最初に伝えました。
「私は視覚に障害があって、あまりよく見えないんだけど… 参加しても大丈夫かな?」
返ってきたのは、笑顔でのひと言でした。
「ダメな理由なんてないよ!一緒にやろうよ!」
そしてすぐに、こんな質問が続きました。
「どんなサポートがあれば、できそう?」
この問いかけに、私は心がじんわり温かくなるのを感じました。
「できるかどうか」より、「やってみたいかどうか」
日本では、視覚に障害があると伝えた途端に距離を置かれた経験もあります。「視覚障害者」としてしか見てもらえないこともありました。
このクラブでは、私という人間そのものを見て接してくれている感覚がありました。
何より嬉しかったのは、「できるかどうか」ではなく、「やってみたいかどうか」を大切にしてくれたことです。
そのおかげで、視覚に障害を負ってからあきらめかけていた球技に、もう一度挑戦できました。仲間と笑い合いながらプレーできた時間は、かけがえのない思い出になっています。
安全に楽しむ方法を一緒に考えた試行錯誤
クラブのメンバーも、初めから特別なノウハウを持っていたわけではありません。試行錯誤を重ねながら、どうすれば安全に、楽しく一緒に活動できるかを一緒に考えてくれました。
最初に「無理だよ」と断られていれば、そこで終わっていました。「どうしたら一緒にできるか?」という問いに変わるだけで、参加できる機会は大きく広がります。
こうした経験の積み重ねが、次に参加する人にとっての前例になります。
「それはお願いじゃなくて、必要なことだから」と言われて変わったこと
留学中、私は自分の中にこんな考えがあることに気づきました。
「これをお願いしたら、迷惑かけちゃうんじゃないか」
「できないことが多いのに、わがままって思われないかな」
仲間たちはこう言ってくれました。
「それはお願いじゃなくて、必要なことなんだから。いつでもSOSを出していいんだよ」
その言葉に背中を押されて、私は自分の本音にストッパーをかけなくなりました。興味のあることに飛び込めるようになり、新しい挑戦が増えていきました。
まとめ:「やってみたい」を言葉にすることが挑戦の入口になる
障害があることは、何かができない理由ではありません。一方で、自分の中の「無理かもしれない」という思い込みが、挑戦を遠ざけることもあります。
必要なサポートを求めることは、遠慮すべきお願いではありません。「やってみたい」を言葉にしたとき、方法を一緒に考えてくれる人に出会えました。

