はじめに
「視覚障害」と聞くと、全く見えない状態を想像する方が多いかもしれません。
しかし実際には、「少し見える」「明るさや色だけが見えにくい」といったように、見え方にはさまざまなタイプと個人差があります。
今回は、
- 視覚障害の主な分類と見え方
- 「ロービジョン」ってどんな状態?
- 色覚多様性(色弱)や夜盲などの特徴
- 周囲の理解や配慮のヒント
を、わかりやすくご紹介します!
「見えにくさ」はこんなに違う
視覚障害は、「全盲(まったく見えない)」だけではありません。
実は、視覚障害がある方の中でも多くの方は“見えてはいるけど困っている”=ロービジョンです。

(視覚障害者のうち、弱視は70%、全盲は30%を表した円グラフ)
ロービジョンとは?|少しは見えるけど不自由がある状態
「ロービジョン(Low Vision)」とは、眼鏡や手術などを行っても視力や視野の制限が残り、日常生活に支障をきたしている状態のこと。
よくある困りごと
- 小さな文字が読めない
- 看板や案内板がぼやける
- 光がまぶしくて目が開けられない
- 人の顔が判別できない
- 片目でしか見えない/視野の一部が欠けている
代表的な「見えにくさ」の種類と見え方の違い
ここでは、実際にある見えにくさのタイプを紹介します。
それぞれの症状は単独で現れることも、複合して現れることもあります。
【視力低下型】全体がぼんやりする
- 近くも遠くもピントが合わず、視界がかすんでいるように見える
- 小さな文字が読みにくく、色の境界も曖昧になる
主な疾患例:白内障、糖尿病網膜症など
【視野狭窄型】視野が一部欠ける・狭くなる
- 中心だけが見えて周囲が見えない(トンネル視)
- 逆に、中心が見えず周囲だけが見える(中心暗点)
主な疾患例:緑内障、網膜色素変性症、加齢黄斑変性など
【羞明(しゅうめい)】まぶしさがつらい
- 少しの光でも強く感じてしまい、目が開けづらい
- 明るい場所での視認が困難に
主な疾患例:網膜色素変性症、白子症 など
【夜盲(やもう)】暗いところで見えない
- 明るい場所では見えるが、暗い場所では極端に見えづらくなる
- 日没後の外出や、暗所での移動が困難に
主な疾患例:網膜色素変性症、ビタミンA欠乏など
【色覚多様性(色弱)】色の区別がつきにくい
- 赤と緑、青と紫、ピンクと灰色などの区別がつきにくい
- カラフルな図や資料が正確に読めないことも

(緑と赤、黄と橙、桃と灰の色の比較の画像)
特徴:
- 男性に多く見られる(日本人男性の約5%)
- 「まったく色が見えない」わけではなく、一部の色の違いが分かりにくい
ロービジョンや色覚多様性の人に対してできる配慮
「見えづらいところ、ありますか?」と声かけを
「どのくらい見えるの?」と聞くよりも、
「どこが見えづらいか、何か困っていることがあるか」を聞く方が、相手にとって安心です。
情報は“色だけ”に頼らない
- 「赤い線を引いてください」ではなく、「上から2番目の太い線」と伝える
- 図やグラフは形・パターン・文字情報でも違いを表すと◎
明るすぎない場所での対応
まぶしさや夜盲がある方にとっては、照明の明暗がとても大事です。
調光できる場所や、逆光を避けた案内があると安心です。
まとめ|“見えにくさ”を知ることがやさしさの一歩
視覚障害といっても、その「見え方」は人それぞれ。
完全に見えない人もいれば、「一部だけ見えない」「暗い場所だけ苦手」「色の区別だけ難しい」など、多様な見え方の違い=“見えにくさ”があります。
見た目にはわからないからこそ、
- 困っていそうなときは声をかけてみる
- 情報の伝え方を少し工夫する
そんなちょっとした配慮が、大きな助けになります。

(白杖を持った男性が女性と話をしている画像)


コメントを書く